豆腐が運んできた恋の話 ーあの頃に戻れたらー

小学校6年生の頃、いじめられてた子がいた・・・

 

 

 

 

 

僕だ

 

 

 

 

ある日急に仲良くしてたグループから仲間はずれにされるようになった

 

いじめられた理由というのは今思えば些細なことなのだが、とにかくある日突然いじめられるようになりクラスのみんなもそれを察して僕はだんだんと孤立するようになっていった・・・

 

いじめられる日々は苦痛だった

特に解決策も見つからずつらい日々を送るだけで精神的にもきつかった

 

 

ただ神様は見捨てなかった

ただただ我慢するしか出来ない僕を、神様が助けてくれたんだ

 

 

 

 

我慢して3ヶ月ほど経ったある日、転機が訪れた・・・

 

 

 

 

そう 豆腐だ

 

 

小学校には給食があり、極稀にだが豆腐が丸々一丁出てくる日があるんだが、その日が転機になったんだ

 

当時、僕をいじめていたグループのリーダー(M男)は豆腐が大嫌いだった

 

大人になるとわかると思うが、いくら嫌いな食べ物でも我慢して食べる事は出来る

ただ小学生となると話は変わってくる

 

今まで豆腐が出てきても色んな理由を使って豆腐を食べないようにしてきたM男だが僕はそれを見逃さなかった

 

いじめられてた僕は今更怖がる事もない

捨て身の覚悟でM男にみんなの前で言ってやったんだ

 

 

 

 

 

「豆腐要らないなら貰っていい?」

 

 

 

 

 

M男は気付いてた

今までそれとなく隠してたけどこいつは気付いてる…と

その表情を僕は見逃さなかった

 

 

「豆腐、要らないの?」

M男

「食べる。お前にあげるわけがない」

「そう。いつも豆腐食べないから嫌いなのかと思ってた」

M男

「…!!!」

 

 

顔を赤くさせながら聞き取れない言葉をまくしたてる

いつもと違う様子のM男にクラスのみんなは何かを察する

 

 

 

 

 

もしかして豆腐食べれないんじゃ?

 

 

 

 

 

そんな空気が流れて来て僕は勝ちを確信した

 

みんなでM男が豆腐を食べるのを見守る空気が出来てしまったのだ

 

そうなったらM男は食べないわけにはいかない

でも食べれない

なぜかと言ったら豆腐が大嫌いだから・・・

 

M男は困ってなんとか食べないようにする方法を考えていたんだと思う

だが小学生の彼にそんな打開策が見つかるはずもなく…

 

 

僕は追い打ちをかけた

 

 

なんと僕はその豆腐を奪い取り、プリンを食べるかのように一瞬で食べた

今思えばなぜそのような行動を取ったのかは不明だがとにかく一瞬で食べた

 

 

そんな僕の豆腐の食べっぷりを見ていきなり泣き出すM男

いじめの主犯格M男を豆腐で倒してしまった僕を見てクラスのみんなは尊敬の眼差しに変わった…

 

 

 

 

 

その日から僕の生活は劇的に変わった

 

 

 

 

 

M男は負けを認めたのかその日を境に大人しくなり、クラスのみんなは以前と同じように接してくれるようになった

 

一番変わったのは麻耶ちゃんの僕に対する接し方でよく僕に話しかけてくれるようになった

 

その麻耶ちゃんというのはM男が昔から大好きだけど気持ちを伝えられずにいるあの麻耶ちゃんだ

 

クラスのマドンナ的な存在で可愛く性格も明るくクラスの女子の中では明らかにレベルが違う存在・・・

 

そんな彼女に僕はある日告白される

 

どうも豆腐でM男に勝った僕を見て気持ちを抑えられなかったらしい

 

 

 

 

そんな麻耶ちゃんは豆腐が好きで毎日家で豆腐を食べてるらしく

朝も豆腐、夜も豆腐・・・

 

そのぐらい好きな豆腐でM男を黙らせてしまったのを機に告白しようと決心したらしい

 

 

 

麻耶ちゃんはクラスのマドンナだ

M男も麻耶ちゃんの事好きだったし僕も好きだった

クラスの男の半分は麻耶ちゃんの事が好きだったと思う

そんな麻耶ちゃんに告白され断るわけがない

即返事してその日から付き合う事に

 

 

翌日からクラスの間には僕たちが付き合ってる事は広まってて、そのM男も悔しそうにしてたのを覚えている

 

 

だが人生そんな簡単なものじゃないと知ってしまう

 

 

 

 

 

ある日僕と麻耶ちゃんは喧嘩をしてしまった

 

 

 

 

 

 

僕にしたら些細な事だと思うが喧嘩の理由が悪かった

 

 

 

 

 

 

 

豆腐は焼き豆腐が最高だと口に出してしまったのだ・・・

 

 

 

 

 

 

 

麻耶ちゃんは大の豆腐好き

毎日豆腐食べるぐらい豆腐が好きな麻耶ちゃんは豆腐を「焼く」という選択肢がなく、醤油でそのまま食べる以外は本当の豆腐好きじゃないという考えの持ち主だったのだ

 

そこまで豆腐が好きだとは知らず特に深刻だとも考えずに、焼き豆腐の美味しさを力説してしまう

麻耶ちゃんは聞く耳を持たず、イライラしてる様子だった

 

ただ僕も当時子供だったわけで、そんな麻耶ちゃんの聞く耳持たずな態度に怒ってしまいついに言ってはいけない一言を言ってしまった・・・

 

 

 

 

 

 

焼き豆腐の美味しさをわからないなんて本当の豆腐好きじゃない!!!

 

 

 

 

 

完全に終わった

今思えば絶対に言ってはいけない一言だとわかる

でも当時は小学6年生でそんな事わかるはずもなく・・・

 

 

 

その後はどんな事を言われたのかは覚えてない

とにかく麻耶ちゃんは怒ってて僕も怒ってた

 

 

その日を境に僕と麻耶ちゃんは仲直りをする事もせず、今までの幸せな下校時間とかなどなかったかのようにあっさりと関係は終わってしまった…

 

 

 

 

 

 

 

ー15年後ー

 

 

 

 

 

当時同級生だったM男から連絡が入った

 

 

 

 

 

麻耶ちゃんが結婚したらしい

と・・・

 

 

麻耶ちゃんとは豆腐の事で喧嘩して以来、話もろくにする事がなく小学校を卒業し別々の中学校に通うことに

当然そこからも連絡を取ることもなく、たまに男友達の中で話題になるぐらいでその後何をしてるのかとかは全く知らなかった

そんな事だから僕も麻耶ちゃんの事を忘れてたんだがそのM男からの連絡により色んな事を思い出してしまった

 

 

ちなみにそのM男とは同じ中学になり今でも連絡を取り合うぐらい仲良くなってた

元々は友達だったわけだから当然と言えば当然の事なのか

 

 

 

 

僕も大人になって色んな事を考える

あの日麻耶ちゃんの気持ちを考えてあげてたらどうなってたんだろうなって…

 

僕がもう少しでも大人だったら

もう少しでも相手の気持ちを考えれるような男だったら・・・

きっと今は変わってたと思う

 

 

だから僕は今あの状況に戻れたら麻耶ちゃんに言ってあげたい

 

 

 

 

 

 

 

 

豆腐は醤油で食べるのが一番だね

 

 

 

 

 

 

 

 

ってね

そしたらもしかしたら・・・

 

 

もしかしたら麻耶ちゃんの結婚する相手は僕だったのかなって

 

 

 

 

 

 

そんな事を思ってしまう

 

 

 

 

 

 

うん

そうだったらよかったなって思ってる

 

 

 

ーfinー

 

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