おにぎり妄想

ちょっと不思議なおにぎりの話。

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…..

 

ピピピピ、ピピピピ

 

目覚ましの聞き慣れた音が鳴り、私はまだうるさく鳴る音を止める

 

今日は月曜日、休みがまだまだ遠くてテンションは上がらない

 

テレビをつけると擬人化された食べ物や動物や道具たちが仲良く遊んでいた

 

私はまだまだぼーっとする頭で顔を洗い、歯を磨き、トイレをすませて家を出る
朝ごはんは毎日コンビニでおにぎりととコーヒーだ

 

おにぎりとコーヒーの味は適当に気分で決める

 

今日は梅とエメマンかな

 

「……..。」

 

なにか聞こえた気がしたが、人も大勢いる。気のせいだろう

 

 

電車に乗り、徒歩で会社に向かう

 

満員電車は嫌いだ

 

家からそう遠くないから自転車にしようかと考える
そうしてる間に会社の最寄り駅だ

 

会社に着き自分のデスクへ向かう

 

始業まではまだ1時間もあるので人があまりいない

 

自分のデスクに座り買った朝ごはんをゆっくり食べよう

 

 

おにぎりを袋から取り出し手順通りにフィルムを剥がしていく

 

「….メ…..。」

 

声がしたような気がしてあたりを見回す

 

ドアが空き1人また1人と働きものたちが集まってきているみたいだ

 

早く食べてしまおうとフィルムを剥がすのを再開する

 

最後に海苔を巻き、完成!

 

お腹も一度ぐーっと鳴ったところで

 

かぶりつこうと口に近づける

 

「..ダメ..。….マッテ!」

 

さっきよりはっきりと声がした

 

おにぎりから声がしているのかともう一度テーブルに置き確認してみる

 

 

不思議に思いながらも特に変わったことを見つけられないまま食べようとした次の瞬間…!

 

 

「待って!話をきいて!あなたは今日気になるAさんをデートに誘うの!わかったわね!」

 

 

はっきりと聞こえた。Aさんをデートに・・・?

 

一瞬考えてからもう一度みるといつもと変わらないただのおにぎりだった
少し気味が悪かったが食べないのも勿体ないので

 

いただきますにいつもより多めに心を込めて食べる

 

梅はやっぱりおいしい

 

 

聞き慣れたメロディがあたりに響き渡る

始業のチャイムだ
今日も慌ただしく業務が始まる

 

お腹が鳴る

そろそろお昼の時間かと時計を見ると11時半だった

そうだ、さっきの話をネタにAさんを誘ってお昼ご飯を食べにこう

 

12時のチャイムが鳴り皆が昼休憩を取るために席を立っていく

 

私は斜め前にいるAさんに声を掛ける

 

「お昼ご飯一緒にしない?」

 

「めずらしいわね、いいわよ」

 

連れ立って社員食堂に向かって歩く

 

社員食堂で2人用の窓際の席を確保し、日替わり定食を持って席につく

 

彼女は手作りの弁当だそうだ

 

軽く雑談をしていると彼女から

 

「で、どうしたの?何か相談ごとでもあるの?」

 

私は先程あったことをAさんという言葉を抜いて聞かせる
「どう思った?」

 

「そうね、気のせいじゃないかしら?でも何度も聞こえるのは気味が悪いわね」

 

「そうだよね。でも気になってさ」

 

「うん」

 

「だから、今度の日曜日デートしない?」

 

「えっ、私?!」

 

「そう。予定ある?」

 

「いやないけど・・・ちょっと考えさせて」

 

「わかった。そろそろ昼休憩も終わるし戻るか」

 

「そうね」

 

彼女はあまりいい顔はしていなかったように見えた。そりゃそうか、突拍子もなさすぎるもんな

 

「さて、午後も頑張りますか!」と自分に気合を入れる

 

そのまま1日が終わり私は家に帰って

 

バラエティ番組を見ながらコンビニ弁当を食べて

 

シャワーをさっと浴びてからベッドに入って目を瞑る

 

今朝のおにぎりのことを考えているとそのまま眠ってしまった

 

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..

 

 

….

 

…..

 

 

ピピピピ、ピピピピ

 

今朝は寒く、まだベッドにいたい気持ちを抑えながら起き上がる

 

今日は火曜日だ

 

いつもと同じくぼーっとする頭で顔を洗い、歯を磨き、トイレに入る

 

便座に座りながらスマホをチェックしているとちょうど彼女からメッセージが届いた

 

デートに誘った返事は、予定が入っていたけどキャンセルしてくれたらしい

 

心の中でガッツポーズをし、待ちきれない日曜日を楽しみに思った
今日はいい日になりそうだ

 

さて、そろそろ家をでようかとトイレの水を流す

 

「ガーーーーーー。」

 

流れる音にあのおにぎりの笑っているような声が聞こえた気がした

 

 

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